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こども部屋は北側に!? 化学物質からこどもたちを守る知恵

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家の中の汚染物質

これは家を横から見た断面図なのですが、使われている化学物資が詳細に 記されています。まず玄関マットには抗菌剤や消臭剤が使われています。 薬剤処理をしていないものは、もはや入手困難なのが現状です。次にリビングで少し休みましょうといってみても、床からはホルムアルデヒドが揮発している。ソファーには抗菌剤などの化学物質、さらに床下にはシロアリ駆除剤。台所でお料理しましょうとなればさまざまな合成洗剤。ゴキブリが出ればシューと殺虫スプレーを使い、それらが充満していくわけなのです。だから東京のど真ん中よりも家の中の方が汚染されているといわれたりもします。それは使われているものにもよるのですが、その多くは揮発していく性質があるからです。揮発する化学物質を総称して「VOC(揮発性有機化合物)」と呼ぶわけです。

有機化合物が揮発していく、畳にも防虫加工がされ、農薬が使われている。これでは住めないよね、というのが偽らざる状況です。私たちは知らないがゆえに、知識がないゆえに、これらによって病気になっていく。特に顕著なのが、「シックハウス症候群」です。新築の家に住み出してから、夫婦の喧嘩が絶えなくなった。イライラして、その挙句別れてしまう。そういう人が知り合いで本当にいたのですね。

私たちは通常どのあたりの空気を吸っていると思われますか?床付近の空気が70~80%で、壁が10%、天上が10%、このような配分になるといわれています。そういうところの空気を我々は吸っていて、小さい子供になればなるほど下の空気の割合が増えていきます。とはいえ、せっかく建てた家を全部変えることはできません。でも床の部分の合板を変えるくらいならそんなに費用はかかりません。だからたとえ一部屋だけでもいいから、合板とか農薬漬けの畳をまともな床にしませんか、と話すのです。出来る範囲でいいからやってみる。それだけで室内の空気を変えることができるのです。

こんなことを言うのも、アレルギーの人たちが床を変えただけで相当改善されるケースも少なくないからです。新築する以外は全部を取り替えることは不可能です。でも部分的にポイント絞ることで最大限のメリットを得ることもできるのです。また新築される際にはこうした知識を持ってからの方が絶対良いわけですね。これから何十年も過ごす場所なのですから。

皆さんはなぜそんなに悪いものを認可しているのだろうと疑問に思われるかもしれませんね。

でも工期を短くするにはどうしても化学物質の力に頼らざるを得ないのです。自然素材の土壁にしようと思えば、2,3日かけて塗って1週間くらい乾かす時間が必要になります。その工期はそのまま住宅の価格に跳ね返ってしまうわけです。ビニールクロスやペイントを使えば作業は1日で終わる。だから今の建築の実態は壁紙を張り終わったらすぐに床を張るというように、すべて時間短縮のために段取られています。工期を短くするためのあらゆる工夫が施されているというわけです。

価格ありきでモノが決まっている。でも本来はモノありきで価格が決まらなければなりません。ものの見方、判断の基準を取り違えている、そんなことを思ってしまいます。シッハウス被害の状況を受けて、東京都がようやく『化学物質の少ない環境づくりのポイント こんなところに気をつけよう』というタイトルの冊子を配布しました。でも、実際に読んだことのあるひとはわずかだと思われます。

年数が経てば減っていく?

先ほど言ったVOCを調べたのがこの表です。その代表格のホルムアルデヒドは新築から年数が経っていけば減っていくようなイメージをお持ちかもしれません。でもそんなことはなく、この表の通り、10年経ってもほとんど変わらないのが実情です。だからこの家は古いから大丈夫とか言いますが、あんまり関係ないようです。その理由としては、古くなると住宅内部に亀裂が生じてきたり、隙間が開いてきたりする。するとそこから余計に揮発度合が増すようなのです。閉じ籠もっていたものが表に出て室内を汚染するわけです。

昔、子供部屋といえば南向きが定番だったのですが、今は北側にした方がよい。理由は温かいとVOCの揮発が促進されてしまうからです。だから陽が当たらない北側の部屋の方が安全です。揮発量が多ければ頭がボーとしてしまって、一生懸命勉強するどころではなくなってしまいます。やはりきちんとした家を作って子供に南側の部屋を与えたい、そんなことを思ってしまうわけです。

これは『シックスクール』(現代人文社)という本の中に出ているのですが、正直、キリがありません。とにかくものすごい量の化学物質が学校の校舎には使われています。でも4~50年前には、なくても生活に支障はなかったのです。しかし今は化学物質の使用が当り前になっています。プールなら確実に塩素で殺菌されている。床のワックスにもエチレンなどが必ず入っている。もうどこ見ても化学物質だらけなのです。子供たちはこれを学校にいる間、ずっと浴び続けている。だから子供たちが授業中に具合が悪くなるという問題が何校かでおこっています。古い校舎ならば別ですが、新しい校舎は注意が必要です。非常に恐ろしい事態ですので、もっとお父さん・お母さんたちが声を上げなくてはならないのです。

国の安全基準で本当に良いのか?

実は2005年7月に「建築基準法」が改定されました。シックハウス症候群がなぜ起きるのか、このことをテーマにホルムアルデヒドに関することやクロルピリホスというシロアリ駆除剤の使用禁止が改定の骨子となりました。例えば建築材料に合板があります。業界用語でコンパネというのですが、それが「☆印」で安全のランクが表示されるようになりました。具体的には4つ星、「4スターがついていたら問題ない」、そういう具合です。今まで普通に使われてきたわけですが、ようやく禁止になりました。使用量が低減されているのが2スター、3スターです。そして一番上の4スターなら安心できます、そうした指針です。しかし私たちが調べたところ4スターだから安全とは決して言えない。だからあくまでも目安に過ぎず、鵜呑みにしない方がよいと思います。今後コンパネを使われる場合はこのことを前提に選択する必要があるのです。

行政は懸命に対策を立ててはいますが、それが国民全体に行き渡っているとは限らないのです。だから自分で保険局とか国土交通省などに行かない限り、手に入りにくい情報だったりもする。どんな情報もそのまま鵜呑みにすることなく、自ら進んで取りに行く姿勢が大切です。

ポイントを絞って

家具には防虫剤、ホルムアルデヒドなどがふんだんに使われています。それが揮発して住居を漂っている。寝具もそうですね。ほとんどが防虫・防ダニ処理をされています。さらには防虫剤や虫除けスプレー、パラジクロロベンゼン、こうしたものが生活空間に充満している。面積の大きいカーテンやカーペット、これらは当然揮発する量も大きくなるので、特に気を使ってもらいたいと思います。

全部を変えるのはなかなか難しい。でも優先順位ができていればよいと思うのです。この部分にはこだわるけれども、ここはしょうがないといった具合に。ただ自分や家族のためにどこからどう変えていけばよいのか、そして何を買ってはいけないのか、そうした知識を持っておく必要があるのです。

床材にしてもなるべく無垢材にした方がよいと思います。合板やフローリング材、繊維板、こうしたものには確実に接着剤が使われ、揮発していきます。接着剤がなくても、カナヅチで打てばよいのですから、建築業者にこちらから依頼する必要があるのです。また木材であっても防腐剤が塗布されているケースも多い。家は人生最大の買い物ですから、細かいところまで注意を払ってもらいたいと思います。せっかくやるならばここまでの配慮が必要だと思っています。

ホルムアルデヒド、トルエン、これらは環境ホルモンの元です。壁紙、ビニールクロス、布、紙などいろいろありますけれども、どれも薬剤処理が施されているのが現状です。和紙だから大丈夫とはいかない。その裏に潜む事実を知っておく必要があります。

後から持ち込むもの、カーテン、ソファー、畳、お買い求めになるときは単純に価格だけでは見ないように習慣化すること。何を使っているかという視点を併せ持つ必要があります。

シックハウス規制について

いまシックハウス規制のかかっている薬剤は13種類となります。でもこれは氷山の一角に過ぎず、とても全部にはならない。まだまだ問題の多い薬剤はたくさんあって、調べていると本当にイヤになってしまいます。

内容を大別すると、有機リン系殺虫剤、ホルムアルデヒド、有機溶剤、この3つに分かれます。塗料の溶剤も、殺虫剤も、蚊取り線香もそうですので、気をつけて頂ければと思います。

有機溶剤には生殖毒性があります。生き物のメス化という問題、そこから少子化にも直結してきます。ただ能動的に子供を作らなくなっただけではなく、作れなくなってきている。有機溶剤、塗料、インク、あと食用油を抽出するときの溶剤などにも影響します。スーパーなどで売っている安い油にはこうした溶剤が使われています。圧搾して絞るのが本来の製法ですが、いまは安い油には有機溶剤が使われています。

話は変わってドライクリーニングについてですが、どうしても出さざるを得ない場合もあると思います。その際は戻ってきたら、必ず外に出して日陰で干す。溶剤を揮発させる必要があると思います。そのまま洋服ダンスにしまったら、使う時にいきなり吸ってしまいますから。ドライクリーニングが原因でアレルギーを発症したケースも見てきていますから。発症していない人は今そうであるに過ぎず、いつ何があってもおかしくない状況下にあるのです。だからドライクリーニングに出さないのが一番。出してしまったらそれなりの対処をすべきだ思います。

環境ホルモンとは?

次は環境ホルモンです。これは塩化ビニールが原因であることはよく知られています。目に見える症状がないため危機感を持ちにくいといった問題があります。しかし確実にしかもジワジワと私たちを蝕んでいるわけなのです。正式には「内分泌かく乱物質」といって、化学物質や重金属が生体内でホルモンと同じような働きをしてしまう。そこから名づけられています。

つまりホルモンのバランスに化学物質が悪影響を与えている。女性は子宮系の病気に罹りやすくなります。もちろん男性の場合も精子が減少するなどといった結果を招いてしまう。

当然、ホルモン機能に悪影響があれば神経機能や免疫機能にも影響が及ぶ。その結果、さまざまな病気の原因になる。だからまずは塩化ビニールの使用を止める、そうすることで多少は軽減できます。代わりにポリエチレンやポリプロピレンやポリエステル、こうしたものに変えることが大切です。

残念なことに、水道管はいまだに塩ビ管を使っています。どうしていまだにそんなことが許されるの?と思ってしまいますが、最大の理由は低コストです。本来はステンレス管がよいと思います。これから家を建てる方がいましたら、水を引き込むところまではしょうがない。でもその後は「ステンレス管にしてください」と水道屋に言った方がよいと思います。環境ホルモンが出てきてしまいますから。

化学物質は危険だから全て天然のものにしよう、でもそこにも落とし穴があります。天然のものであっても、アレルギーを起こす素材があるからです。よくあるケースはシックハウスフリーの家を建てたはいいけど、その人は杉アレルギーだった。こういうこともあるので、さまざまな面から気を遣う必要があると思います。

揮発するものでも比較的早く半減していくのが、トルエンやエチレンです。それに比べて長期に空気に含まれるものはホルムアルデヒド、さらにはクロルピリホスというシロアリ駆除剤です。この駆除剤は禁止になってはいますが、いずれにしろ同じような毒性のものが代わりに出てくることに違いはないのです。シロアリ駆除は薬剤を使わなければ絶対ダメなのかというとそうでもない。床下材をヒバにするとか、業者に頼んで木を燻煙してもらうとか、工夫を施せば使わないで済むのです。

もちろん相応のコストはかかります。しかし安価で手っ取り早い方法を選んだことにより、その後、化学物質過敏症を発症するケースは本当に多い。これが一連のパターンになっているのです。パラジクロロベンゼンにしても、ホルムアルデヒドにしても知識を持つことで全てが変わります。知識を持てば判断が可能になるのです。

ホルムアルデヒドについては有名なので、多くの人は気を遣います。ただここにも落とし穴があるのです。ホルムアルデヒドは酸化するとギ酸に変化します。ギ酸になると、もはやホルムアルデヒドとしては検出されません。またイグサや稲などによく使われる「スミチオン」という殺虫剤がありますが、これも同じで酸化するとスミオキソンという物質に変化します。スミチオンは検出されないけれども、スミオキソンは山ほどある。こういうケースも少なくありません。業者から「この家からはホルムアルデヒドは検出されません」と言われるような場合は、「ギ酸はどうなのですか?スミオキソンはどうなのですか?」という質問ができるかどうかなのです。こうした質問ができれば、その業者は「これはうっかり言えないな」となるわけです。だから買う側の知識が必要だと感じるのです。

ギ酸とは「蟻の酸」と書きます。これは蚊に刺された時のカユミ成分です。蚊が血を吸い自分の体に血を溜めるわけですが、血液は外に出ると固まる性質があります。だから蚊としては体の中で固まっては困るので、ギ酸を針から出して一緒に吸うのです。そうすれば固まらなくなるというわけです。だからアレルギーの人がギ酸の多い家に住むとカユミが増していくわけなのです。こうした物質が生活空間を漂っているわけですから。

花粉症にならない方が危険

古い食堂に虫を捕まえる天井からぶら下がった殺虫剤がありますよね。あれが一番危険だといわれています。何であるかというと、有機リン系殺虫剤です。他にも、煙が部屋中にワーとなるものもありますよね。あれを使うと3ヶ月間ゴキブリもダニも入ってこないとして売られています。そういうメリットがあるにしても、小さな赤ちゃんがいる場合はそれによって起こるデメリットも踏まえておかなければなりません。あの手のものは殺虫成分が壁や家具、部屋の隅々にまでくっつくように接着成分が配合されているからです。赤ちゃんは床を舐めたりします。それはつまり殺虫成分も一緒に舐めてしまうことに他なりません。

過剰な清潔志向は化学薬剤への依存度を高めます。ゴキブリやダニがいても良く、またダニやゴキブリが悪いわけではないのです。アレルギーとか喘息の原因をダニのせいにするのは間違った解釈といわざるを得ません。

本当の問題はダニと化学物質が一緒になってしまうことにあるのです。ダニなんて昔からいるわけですから。花粉症もスギ花粉が悪いのではなくて花粉と化学物質が結合していることに問題があるのです。体の視点に立てば、そういう不純物を体内に入れたくないからこそクシャミをしたり涙を流したりしているわけです。だから花粉の時期に花粉症になるのは自然なことでもあるのです。それは体の防御反応なのですから、発症しない人の方が危ない可能性もある。多少ジュクジュクする季節ですので、症状があって良いのです。花粉と化学物質の相乗毒性、それが花粉症の正体です。花粉症になってマスクをする。でも売っているマスクのほとんどが抗菌加工されています。それを使えば花粉を入れない反面、今度は抗菌剤が入ってくることにもなる。薬剤処理をされていないマスクは探せば売られています。ちゃんと代わりがあるのですね。紙のものは使い捨てですから、そういう無駄遣いをしないで自分を防御してもらいたいと思います。

空間汚染が食材に?

これはドイツの有機農業の根幹が揺らいだと大問題になった記事です。結果的には農相が辞任するまでの騒ぎとなりました。経緯は、農薬や化学物質を受付けない体質の消費者が、自然食品店で「オーガニック」と表記された小麦粉を買った。ところが、今までにないくらいのものすごい発作に見舞われてしまった。そこで栽培方法に偽りがあったのではないかとさまざまな検査をし、土壌検査も実施した。そこでも一切の薬剤は検出されないにも関わらず、小麦粉からは複数の農薬が検出される。そこで政府がさらに細かく調べたところ、保管倉庫に問題があることが分かった。その倉庫はかつて農薬倉庫であったことが分かったのです。倉庫では30キロくらいの小麦粉を紙の袋に入れて積んでいたわけですが、壁や床にかつての農薬成分がしみ込んでいた。それが揮発して袋の中に入り込み、小麦粉から検出されたというわけです。こうして「有機空間認証」という動きが始まりました。

「有機空間認証」の意味は、空間に化学物質が漂っていればどんなに良い食べ物であっても意味がなくなってしまう、このことを意味しています。住環境や保管場所に化学物質が使われていればそれが入り込んでしまう。そうであるが故に、保管場所も認証の対象にしたというわけです。食べものからも空気からも化学物質を排除していかないと、せっかくの食材が台無しになってしまいかねません。例えば自然栽培のお米を炊いている矢先に、ゴキブリが出たので殺虫スプレーを撒く。その後、ご飯が炊き上がり炊飯ジャーのフタを開けた。するとその瞬間に有機リン系の殺虫剤がジャーの中に入っていく。調べてみれば、お米から有機リン系殺虫成分が検出されてしまう。だからどんなに食材を良くしても環境を変えない限り、それも半減してしまうというわけです。

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